町のピアノ教室生徒がコンクールに挑戦する
・おしゃべり大好き、面白いレッスンが大好きな子
・あまりお家練習をしない子
・ピアノ歴が1年ちょっとの子
・高学年になってからピアノを始めた子
・前の教室でピアノが嫌いになりそうだった子
・前のピアノ教室で泣いてばかりだった子
・1歳からリトミックを続けていて、ピアノ科に進級した子
・中学の部活が忙しく、なかなかレッスンに来られない子
こんな、よくいそうな、普通の子供たちが、今年はピアノコンクールへの参加を決めました。
目標を決めた生徒たちが変わっていく姿
「楽しく上達するピアノ教室」
をモットーとしているかみや音楽教室の生徒たちが、自分たちの意思でご家族の協力体制を得て挑むピアノコンクール。
日々、厳しいレッスンをするわけでもなく、効率よく、でも自然にテクニックや表現力をアップするように心がけている紙屋のレッスンでしたが、今年1年間に参加した12名の生徒たちには、課題とされる1曲1曲を、深く、丁寧に、根気強く、様々なアプローチを持って指導にあたりました。
・作曲者のことや時代背景などの理解
・現時点での自分の演奏レベルはどうか
・完成度はどのくらいか
・楽譜に書いてある指示の理解
・手首の脱力はできているか
・さまざまな音色の出し方の工夫
など、これまで深くは追及してこなかったことを、とにかく一つ一つ確認しながらレッスンを進めていきました。
約2~3か月という期間で、それぞれの目標に向かってのレッスンにより、見違えるような上達、変化を見せてくれました。
頼りない講師のもとで一緒に成長する生徒たち
肝心の指導者である私は・・・
・4年前に移住してきた宮崎県全体のピアノレベルなどは、一切わからない講師。
・東京育ちでコンクール経験もほとんど無い、ブランクは長い、講師経験は短く10年も満たない講師。
・つい最近まで、子供のピアノコンクールに対して良いイメージを持っていなかった講師
・なにより、まず生徒をコンクールに出したことがない講師
という、一見無謀にもみえる挑戦でしたが、私は生徒たちの変化や指導の楽しさに不安を感じる間もなく、本番に向けて調整していきました。
生徒たちも、教室の生徒たちとのホール練習で、お互いの演奏に刺激し合いながら、交流を持ったり、励まし合ったり、わたしの見ていないところで良い環境が作れていたことにも後から驚かされました。
自分の演奏が変化していき評価されるということ
今年度、2018年に参加したコンクール参加者は12名、内容は以下の通りです。
・ピティナピアノコンペティションD級(中学2年生1名)初参加・入選
・グレンツェンピアノコンクール宮崎予選 (年長~中学1年まで6名)初参加・6名全員予選通過
・宮崎県ピアノコンクール(年長1名・小学1年1名)初参加・入賞、奨励賞受賞
・グレンツェンピアノコンクール宮崎本選(小学5年~中学1年まで4名)予選通過者4名全員本選通過
・日本バッハコンクール宮崎地区大会(年中~小学5年生まで4名)全員通過ならず
最初からスラスラ弾ける生徒は一人もいません。
お家を建てるように、土台を作り、内部を丁寧に、美しく、最後に外観を整えて、曲が仕上がります。
悔しい結果も、うれしい結果もありましたが、すべての生徒たちの演奏は、誰に聴かせても恥じない、素晴らしい演奏をしてくれました。
自分のピアノ発表会ではなく、ピアノコンクールの大舞台で、スタインウェイのグランドピアノで堂々と演奏する姿は、感動以外の何物でもありませんでした。
全国の著名な審査員の先生からの評価を受け、様々な課題を見つけるとともに、生徒たち一人ひとりが大きな自信となったことでしょう。
グレンツェン組は、来年3月に福岡地区大会に参加しますので、コンクールの挑戦はまだまだ続きますが、私も生徒たちも意欲に満ち溢れています。
失敗やそれまでの過程が最大の学び
私から見ると、1番の良い演奏でも、複数の審査員それぞれ評価も点数もかわります。
中には、3人の審査員で7点もの差がついた生徒もいました。
天と地ほどの差ですよね。
たった1点の違いで、予選に通過できないことも、大きなトロフィーをもらえなかったりするのです。
どうしても賞をとることばかりに意識が向きますし、私もできることなら大きな賞をとらせてあげたい気持ちが大きいですが、一番大切なのは、ひとつの課題曲と長い時間向き合い、一つ一つのアーティキュレーションを意識し、音の出し方をコントロールし、本番が最高の状態になるように仕上げることの過程が、どれだけ大きな成長をもたらしたか!そこをしっかりと、自分を称えてほしいです。
指導力を上げてくれているのは生徒たち
都城市にある、楽しいことが大好きな町のピアノ教室講師が、生徒たちのコンクール参加表明を受けて、一気に指導力を押し上げられることになりました。
それまでは、
「ここまで仕上げれば十分」
としていたことを、
私のできる限りの知識や技術を、すべて伝えなければ通用しないのです。
わたしの心配をよそに、生徒たちはあっという間に高レベルな指導も楽しみながら受けてくれ、どこで演奏させても恥ずかしくない、音楽的にも優れた小さなピアニストに変身していきました。
子供の持つ能力は、本当に未知数の可能性が秘められているのだな・・・と驚かされることばかりでした。
ですから、わたしも妥協することなく、楽しみながら指導力を上げられることに、生徒たちには感謝の気持ちでいっぱいです。
今後のピアノコンクールへの挑戦
・毎年同じコンクールに挑戦する
・よりレベルの高いコンクールに挑戦する
・昨年とは違うコンクールに挑戦する
・休みながらが丁度よいなら、1年置きに挑戦する
など、今後のことを決めるには、その時の状況や家庭環境によっても変わってきます。
「その時だからできること」
を大切に、また2019年以降もピアノコンクールに挑戦していけたらと思います。
今年一年間お疲れ様でした!
最後までお読みいただきありがとうございました。
かみや音楽教室主宰
紙屋 雅美
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